10. 調号の一覧と臨時記号
もうひとつ、覚えておかなければいけない事があります。それは、調号です。まずは調号の一覧表を示しておきます。調号の一覧
ハ長調 / イ短調【C dur / a moll】
ト長調 / ホ短調 【G dur / e moll】 |
ニ長調 / ロ短調 【D dur / h moll】 |
イ長調 / 嬰ヘ短調 【A dur / fis moll】 |
ホ長調 / 嬰ハ短調 【E dur / cis moll】 |
ロ長調 / 嬰ト短調 【H dur / gis moll】 |
嬰ヘ長調 / 嬰ニ短調 【Fis dur / dis moll】 |
嬰ハ長調 / 嬰イ短調 【Cis dur / ais moll】 |
ヘ長調 / ニ短調 【F dur / d moll】 |
変ロ長調 / ト短調 【B dur / g moll】 |
変ホ長調 / ハ短調 【Es dur / c moll】 |
変イ長調 / ヘ短調 【As dur / f moll】 |
変ニ長調 / 変ロ長調 【Des dur / b moll】 |
変ト長調 / 変ホ長調 【Ges dur / es moll】 |
変ハ長調 / 変イ短調 【Ces dur / as moll】 |
調号とは?
「4.長音階」で出てきた例④(ト長調)を例に見てみましょう。
ト長調は音名で「ファ」に#が付きます。
これは曲中常に付くわけですが、記譜する時に「ファ」が出てくるたびに、#を書いていては大変です。#が1つ、2つならまだしも、#が5個、6個となる調だと、大変なだけでなくとても見にくい楽譜になってしまいます。
そこで出てくるのが調号です。
音階上でシャープ(#)やフラット(b)が付くものは五線のはじめに書くのです。(音部記号のすぐ隣)
↓こんな感じ↓
これで、曲中に出てくるものには#やbは付けなくてもいいので楽譜は臨時記号の少ない綺麗なものになりますね。。これはどの音階(調)についても同じです。
上記の例は長音階(メジャー・スケール)でしたが、短音階(マイナー・スケール)には3種類あるわけで、調号はどれを使ったらいいのでしょう?
すべてを書くわけには行きません。
短音階の場合
「調号」は自然的短音階を使い、和声的、旋律的短音階の第ⅵ音、第ⅶ音を使う場合は臨時記号を使う。という事です。
調号と臨時記号の効力の違い
・どの高さの音にも有効
・すべての小節にも有効(曲中ず〜っと)
《臨時記号はその名の通り臨時的に#やbを付けたい時に使うもの》
・書かれた高さの音のみ有効
・書かれた音符以降の小節内のみ有効
・書かれた音符の調号の効果は無視する
なので、しっかりと調号という言葉と臨時記号という言葉も区別して使わなければなりません。なぜなら、その効力も違うのですから。
では効力の違いも確認しておきましょう。
下記はハ短調の楽譜ですが、ハ短調なので音部記号の隣にb(フラット)が3つ調号として書かれています。
・まず、丸で囲まれた(1)の音符に臨時記号としてナチュラル(♮)が書かれていますが、これはもちろんシに付いていた調号(b)を取り消して通常のシを弾きます。
・(2)は小節内の同じ高さのシなので臨時記号は有効です。(シ♮)ナチュラルで弾いて下さい。
・(3)小節がかわったシなので調号の(シb)で弾いて下さい。
(もしさらに半音下げて弾きたい時は調号を無視してダブルフラット(bb)を臨時記号で書かなければダメです。)
・四角で囲ったミは調号でbが付いているのでどちらの高さも(ミb)で弾いて下さい。
調号に関してはまだ色々と覚えて置くと良い事もあるのですが上記がその基本的なことです。すべてを覚えなくても良いのでなんとなく頭の隅に置いておいて下さい。調号のもう一歩進んだ内容は音階の項目の別のページで説明していこうと思います。