誰でもわかる!音楽理論

18. V7→Iの連結(2つの限定進行音)

前回は「V→Iの連結」でしたが今回は「V7→I」とVがV7に代わり四和音をやって見ましょう。

今回なぜV7の四和音を扱うのかと言うと、最も多く使われる四和音だからです。なるべく始めは三和音中心で学んで行こうとおもうのですが、V7を抜きには・・・・・というくらい一般的な四和音です。

①【 V7→I 】

まずは構成音を簡単に復習!
ハ長調だと下記

左がVで<ソ・シ・レ>
右がV7で<ソ・シ・レ・ファ>で「ファ」が足されて四和音ですね。
※わからない人は「コードのしくみ」参照

Vの和音がIに進行する時に限定進行音がありましたが、それは第三音の「シ」が「ド」に進むことでした。 しかし、V7の四和音になるとさらにもう一つ限定進行音が増えます。

下記を見てください

このV7の和音をIに連結するには、三和音のときと同様に第三音(シ)を主音へ進行させます。(下記)

そして、さらにVの第七音(ファ)をIの第三音である「ミ」へ進行させます。(下記)

Vの第七音(ファ)と主和音であるIの構成音(ミ)は半音(短2度)で隣り合う最も近い音です。半音という近い所に安定した音(主和音のミ)があると、そこへ進行しようとします。
これが『もう一つの限定進行音』です。

限定進行音を主和音の第三音(ミ)に進行させた後は、配分の一致などを考えて連結を完成させましょう。

これで完成!!
※後続和音であるIが第五音を省略したものになりましたが問題ありません。先行和音Vが密集配置ですが、後続和音は密集配置には出来ないために第五音(ソ)を省略したオクターブ配置になりました。

②【 V7(3転) → I 】

まず2つの限定進行音を考えましょう。

Vの第三転回形をIに導くときは、限定進行音の一つがバスに来ることになるので自然と後続和音はIの第一転回形になります。

その後、共通音を保留し配分の一致を考えながら残りの声部を進行させましょう。

完成!
・・・・・さて、後続和音のIの配分はオクターブ配置としましたが、先行和音(V7)が密集配置だったので後続和音も密集に・・・とも考えられますが、ここにはオクターブ配置にした秘密があります。

それは「第三音の重複」です・・・が、これはまた別に紹介しましょう。