誰でもわかる!音楽理論

20. 終止形とは

終止形とは字の通り「終わりを表す形」です。
たいていの音楽は1曲としては長くても、よく見てみると(聴いてみると)ある一定のまとまりが積み重なって出来ているものです。もしくはそのように感じる事ができます。

わかり易いところで言えば、「Aメロ」→「Bメロ」→「サビ」・・・のように3つのまとまりが積み重なって1曲となっています。みなさんはカラオケなどで「Aメロ」が終わったあと気持ち一息ついているような感じはないですか?その後に「Bメロ」へ言って、「Bメロ」が終わった後に気合を入れて「サビだ~」みたいな。

このように、1曲のなかで大きく「句切り」をつける事ができる所を『終止』と言い、その終わる形を『終止形』と言います。

実際は「Aメロ」の中でも、「句切り」を付ける事ができる所(そう感じさせる所)がいくつかあります。多くは4小節や8小節で「句切り感」があったりします。つまり4小節や8小節で終止形があると言う事ですね。

文章と同じですね。
大きな「段落」があって、文の終わりは「。」があり、さらに文の途中で「、」がある。

音楽も同じように捉えてみようと言う事です。
一般的に終止は以下の4つがあります。
・全終止
・半終止
・偽終止
・変終止


全終止

あるフレーズが属和音(V)の基本形から主和音(I)の基本形に進行して終わるものを全終止と言います。【V→I】とか【V7→I】の進行ですね。最も多く使われる終止で、句切り感(終止感)を最も強く感じることができる終止形です。 文章で言えば「。」みたいなものですね。




半終止

ある和音から属和音(V)の基本形に進行して終止するものを半終止と言います。四和音自体が不安定な響きなのでV7は含みません。三和音で終わるものです。これも多く使われる終止ですが、終わりきれてない感じがする終止です。・・・なので半終止。
文章で言えば「、」みたいなもの。一息付くけどまだ終わりませんよって感じですね。


偽終止

あるフレーズが属和音(V)の基本形からVIの和音の基本形に進行して終わるものを偽終止といいます。【V→VI】とか【V7→VI】の進行ですね。Iで終わるものは全終止でしたが、Iの代理として同じトニックの和音であるVIで終わる終止形です。
文章で言えば「。」はつけるけどまだ続きがありますよって感じですね。


変終止

下属和音(Ⅳ)から主和音(Ⅰ)に進行して終わるものを変終止と言います。全終止よりもゆるやかな終止感がありますね。その他に、アーメン終止プラガル終止とも言われます。